2022年12月22日 (木)

共テ対策のアドバイス

 一昨日、冬期講習の共テ対策シリーズが終わりました。

 今年の冬は珍しいことにこの講座を三回もやらされました。イヤハヤ、ちょっと疲れたかも。

 一昨日は質問待機の仕事などもあったので、横浜で昼食。

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 ワタシとしては大変珍しく、大戸屋さんで「牡蠣入り八宝菜定食」でした。なかなか美味でした。

 共テ講座の受講生から質問がありました。「直前の演習は、共テ型問題集とセンターを含めた過去問と、どっちをやったら良いですか」

 そりゃ、こういう聞き方したら、予備校屋はの答えは決まってますよ。「両方やれー!」。~o~;;

 でも、どっち重視かと言われたら、過去問でしょうね。

 共テはセンターと形式的に違いますが、それは表面的なことでたいした違いではありません。対比だの対話型設問だのを何問かやって慣れてもらえばオッケー。

 一方、選択肢を削るという本質的な作業の演習には過去問が優ります。センターの過去問は選択肢が良く出来ているから。

 それに共テ型問題集には、こんなクオリティのものもありますからね。

 この本について、今日、もう一つ、ヒドイNGを発見してしまいました。99年国語Ⅰ追試に共テ型設問を追加した第八課。問1(ウ)の解説は、ちょっと噴飯モノ。

 「いかでかいませし」を説明して、

 「『います』は、ふつう四段活用で『いらっしゃる』と訳すが、まれに下二段活用の場合があり、この場合は『いらっしゃっていただく』という意味」

 とあって、下段の注で

 「下に連用形接続の『き』があるため、『いませ』は連用形になる。『いませ』が連用形であるのは下二段活用の方である」

 と書いています。

 うわわわ、マズイよ、こりゃ。

 下二段の「います」について触れているということは辞書を引いたんでしょう。だったら、「いらっしゃる」の意味の「います」には四段とサ変があると書いてあったはず。助動詞「き」のサ変に対する特殊接続をご存じありませんかねえ、この先生わ。~o~

 助動詞「き」はサ変とカ変には特殊な接続をするので、「き」はサ変の未然形「せ」に接続しちゃうんです。当然、「いませし」は、「いませ(サ変の未然形)+し(助動詞「き」の連体形)」。

 コレ、ちょっと出来る受験生なら判るはず。当然、プロはみんな判らなきゃいけません。赤本で出てきたとしても、かなーりレベルの低いNGでしょうねえ。

 この人、この本の時は、本を売るためにわざと簡略化した間違えを書いているのかと思いました。プロフェッショナルファウルみたいなモンかと。

 しかし、この解説を読んでハッキリ判りました。参考書を書いてはいけない学力の人だったんです。つか、この学力でよくぞ予備校の教壇に何年も立ってられますねえ。逆に感心しました。

 ま、こういうこともあるので、共テの演習は過去問重視がいいかなと。~o~

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2022年12月18日 (日)

「まともじゃない!」参考書編

 昨日今日は冬期講習の隙間のお休みでした。

 昨日は娘(仮称ケミ)の塾が土曜特訓で、平日の塾よりも早い帰宅だったので、三人で夕食を取り早く就寝。

 12時過ぎに目覚ましで起床しました。珍しいことにYが「W杯もあと二試合ですから、起きて見ましょう」と言うので。

 TVを点けたらすでに1-1でした。ひえー、この両チーム、そんなに攻撃的だったっけ。

 どうも三位決定戦ということでオープンに打ち合ってくれた模様。楽しいゲームでした。

 それにしても、モロッコってこんなに強かったのか。

 と思いながら二時過ぎに再び就寝。六時半過ぎに起床しました。ちょっと朦朧としてました。

 ケミさんを塾へ送り出してからのんびり昼寝。

 目覚めてから本屋さんへ買い物に行きました。同僚講師のサイトでアヤシイ問題集が話題になっていたので。

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 わお、「共通テストの完全対策」とは、売れセンだなー。

 この本と同一著者なので、期待しました。

 うーーん期待通り、やっぱり、「まともじゃない!」~o~

 とても丁寧に作っている部分もあるのですが、単なる品詞分解にも細かいミスがいくつもあり、一番拙いのは、2001年センター試験国語Ⅰ本試の問題に共テっぽい「先生と生徒の対話問題」を足した第三課問三の解説。

 「参らせよ」を二語に分けて解説しているが、こんなの一語の謙譲語「参らす」の命令形だって分かんないかー????

 仮に本人が分からなくても(こんな基本的なこと分からない人が参考書書いてたら、そりゃそれでかなりの問題なんですが)、センター過去問なんだからちょっと調べりゃ解答解説は簡単に見られるでしょうに。

 正しく理解する学力も調べる誠意もない上に、デタラメの解説付きかよ。「まともじゃない!」

 同僚講師のサイトによると、こんな本をありがたがって「最強の参考書」と持ち上げる高校教員の方が何人もいらっしゃるんだそうです。これまた、「まともじゃない!」

 この直前の時期に、こんな「まともじゃない」ものを購入してしまった生徒さん、たくさんいるんでしょうね全国に。

 どうか、ワタシの教え子さん達が、そんな被害者になりませんように。 

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2022年10月31日 (月)

秋の小金井ゆめまぼろし

 昨日の日曜、娘(仮称ケミ)は朝から塾でした。

 午前中にゆうパックで何か届きました。まさか、と思ったら、一昨日某アマゾンで注文したケミさんの過去問でした。ひえー、なんて早さだ。

 過去問のコピーをとり解答用紙を作成するのはワタシの仕事です。すぐに一年分の練習問題が出来上がりました。

 あとは愚妻YのPTAの仕事の相談に乗ったり散歩に出たりしてぼんやり過ごしました。

 今日は珍しい月曜のお休みの日。午前中はのーんびりと散歩。イヤハヤ、秋の小金井はのんびりしています。こんなにぼんやりのんびりで良いのかしら。ハロウィンで大変な目に会った人もいるのにね。

 午後は昨日から取り組んでいる某東大の今年の問題の資料を、完成させようとしたのですが…。

 うーーん、今年の問題って何だか難しくないですかねえ。

 これだけ難しい問題は…、T女史なのからしん。~o~;;

 いろいろと注釈書やら出版されている過去問の本やらを見て…、ぼんやりし過ぎで回らなくなった頭で考えているのですが、何だか変です。

 「夢とだに何か思ひも出でつらむただまぼろしに見るは見るかは」

 『浜松中納言物語』のこの歌は、かつて中国の后とはかない逢瀬を持った中納言が

 「ふたたびと思ひ合はするかたもなしいかに見し夜の夢にかあるらむ」(再び逢瀬を持ちたいと思っても思い当る方法もありません。あの夢のような逢瀬は、どのように見た夜の夢であるのでしょうか)と詠み掛けた贈歌に対する后の返歌です。

 「夢とさえどうして思い出してもいるのでしょうか、いいえ、夢とさえ思い出すことは出来ないはずです。私たちの逢瀬は夢よりはかない幻のようなものなのですから、まして思い出すことなどできないはずなのです。ただ幻のような逢瀬では逢瀬などと言えるものではないはずですから」

 このくらいの解釈になりそうなんですが…。注釈書も過去問本もどれもこういう解釈をしてくれていません。

 ワタシの解釈の方が、「まぼろし」なんでしょうかねえ。~o~;;;

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2022年9月 6日 (火)

あるあるある

 先週水曜から二学期が始まりました。まずは毎日単語と赤本の話のリピートです。まあ、割と上手く話せてます。

 娘(仮称ケミ)の方も小学校で二学期が始まり、塾の方も再開されました。土曜日には夏の終わりのテストの結果が返って来ました。

 今回、ケミさんの算数が劇的に改善されました。六月の再始動の時の新方針がここへ来て花開きつつあるようです。ケアレスミス計算ミスがほぼなくなり、算数では入塾以来の最高に近い偏差値でした。

 なんだ、ケミさんやれば出来るじゃないの。

 その結果、初めて、アルファと呼ばれる上位6クラスの端っこに入りました。

 実は、志望校の偏差値から言ってアルファに入ることは必要なかったので、そこに対するこだわりはなかったのですが、でも、この塾に入ったからには、一回は経験として覗いてみてほしいなあとも思っていました。

 端っことは言えアルファクラスだと、回りは中学受験の最高峰に近い人達です。さて、どんな刺激を受けて来るのやら。

 ワタシの方の仕事は、比較的順調に進んでいたのですが、気がかりは、今年、赤本の入荷が遅れていること。まだ全くNGの仕事が始められずにいました。困るんだよなー、こういうの。

 昨日の月曜の授業でも、各クラスでそのグチをこぼしていたのですが…。

 夜の吉祥寺の授業を終え、講師控室に帰って来て本棚を見てみたら、あるあるある。

 一度にドカッと入荷していました。帰りを一時間遅らせてひたすらコピーコピーコピー。

 今日の午前中、早速チェックしてみたら、NGあるある。

 某明治政経問四は解答間違ってますよー。~o~

 突然ですが、今朝のスイカです。

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 もうちょっとですかねえ。

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2022年5月29日 (日)

不相応の初夏~『〇冊読むだけで古典文法の基本&覚え方が面白いほど身につく本』

 今年は、かぐらのファイナルが一週早く来てしまい、さらに毎年この時期にあった特別授業もなく、一昨年以来の暇のある初夏です。

 まあ、年も年なのでこのくらい暇があった方が良いのかも。

 などと思いながら授業のためのプリントを作成。昨年からのカリキュラム変更があったり、引継ぎがあったりで、今までにないこともいろいろやってます。あんまり年相応じゃないなー。

 時間があるし、こんなことを書いてしまったので、チェックしてみました。『〇冊読むだけで古典文法の基本&覚え方が面白いほど身につく本』。

 結論から言うと、このタイトルはウソです。「面白いほど」身に付くとはとても思えません。かなり煩雑です。こんなことまで暗記かよと思わされるような所もあります。特に、敬語のあれこれを形だけで判別させようとするのは煩雑になるだけで無理があるんだが。

 前の本で、「『き』の主語は『自分』」というかなりのヤラカシがあったのはある程度修正されています。

 でも、細かいことを言えば、「『、』の上は連用形」なんていう有名講師A譲りのデタラメが出てきたり、「る・らる+打消=可能」というこの手の本でお馴染みのヤバい公式も出てきたりして油断できません。

 また、「『べき由』の『べき』は命令」となどという出所不明のヤラカシも出て来ます。

 「べき由」の「由」は誰かの会話文の趣旨をまとめることが多いので、「~べき由仰せらる」などと貴人の発言をまとめる場合、「べき」は命令になりやすいと言えるでしょうが、「~べき由聞こゆ・~べき由申す」が命令になるはずないんだが…。~o~;;

 まあ、いくつかヤバそうな箇所は出て来ますが、それを「絶対」「確実」などと言わずに、「文脈判断が大事」「訳して確認することが必要」と柔らかく言ってるから、例のT井とかいう無責任な人より人間として二百倍くらいマシですかね。

 この本で一番問題なのは、冒頭の「レベルフリー」宣言ですね。某W大やら国公立上位やら校を目指す人には、暗記して形で判断というこの本の方向性は、あまりお勧めしたくないです。

 というか、ある程度の知力学力のある層には、この本で教えている覚え方解き方はマイナスに働くはずです。

 結局、自分の方法論に相応のレベル設定が許されなくなった時点で、予備校屋としては一皮剥けないといけなかったんじゃないんですかい。

 と年相応な小言ジジイを決め込んでみたんだけど、どうかしらん。~o~

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2022年5月12日 (木)

種々雑多に疲れる水曜

 昨日は、「引継ぎ授業」の三週目でした。

 授業の方は順調そのもので添削希望者がたくさん来ます。

 それもあってのことでしょうが、どうも、いくつか疲れる雑事があり、一日経っても、少し朦朧としています。

 まあ、疲れの溜まる時期でもあるので多少は仕方ないのですが、ちょっと疲れるオトナの方に会ってしまって、エネルギー吸い取られました。~o~;;

 おまけに添削希望者がたくさん来ると、いろんな人がいて…。

 その中に、某〇タディサプリなるものを持ってくる人がいたんですが、うーーん。

 この本の人が書いているのですが、この本の段階では対象レベルをかなり謙虚に抑えていたのに、学力上位層まで対象にしようとしているらしく、それだと、うーーーん。

 もしかして、近々、調べてみなければいけないことになるかもしれなひ…。

 疲れます。

 さて、疲れた水曜日の癒しと言えば、先週みつけた「伍年食堂」さん。昨日は特製ラーメンでした。

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 これで1100円は、ややお高い印象ですが、一口食べて見ると、納得させられます。鶏で丁寧に取った出汁にシイタケの甘い風味が加わり、飲み干したくなる旨味です。

 紫タマネギやら低温調理のチャーシューやら美味しい海苔やらとのバランスも良く、替え玉までまったく飽きさせませんでした。なかなかお見事。

 こんなに美味しいのに、こんなに空いてるのは何故???

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2021年11月13日 (土)

関西の摩訶不思議~赤本NG大賞特別賞

 二学期第十週が終了しました。ここからいよいよラストスパート。

 赤本NGの方は、リクエストされていた某関西大学が出来たので今年はこれで終了です。

 さて、その某関西大学の赤本で魔訶不思議な間違いを見つけました。今年は、赤本に間違いがあまりなく、赤本NG大賞になるようなNGは無かったのですが、この某関西大の間違いは…。

 たいしたことではないので、マトモに大賞を与える気にはなれないのですが、何か言わないではいられないので特別賞。

 『兵部卿物語』からの出題です。某関西大の古文は、例年、長い物語系の問題文にお話の展開に沿った解釈系の設問が付され、この場面はこんな感じの解釈という長い選択肢を選んでいくとお話を読み終えることができるという変わった形式なのですが、一問だけ現代語訳の問題が付いています。

 今年は、問9で「人にもえ言は、思い嘆き給ふ」の部分が訳の問題になっており、模範解答は「中納言の君は、他の人に言うことができずに、思い嘆きなさる」。

 ところが、設問の解説では「え言はで」の部分について、「”~できないで”と訳す」と書かれています。

 微妙に違うねと思って解説の前にある「全訳」の該当箇所を見ると、”人に言うこともできず、”。

 なんだって、解答と解説と全訳を微妙に変えちゃったんでしょうねえ。~o~

 これ、ワザとやったとは思えないので偶然のミスなんでしょうけど、現代語訳の問題になっている箇所なので罪が深いです。こんな赤本で本番の直前に勉強したら、解答と解説の微妙な違いで、「アレ?」となったところで全訳を見て、「アレアレアレ????なんだよーコレ?!」

 本番直前のナーバスな時期にこんな状態になり、誰かしっかりした学力の人に相談する時間もなくて一人思い悩む…、なんていう姿を想像しちゃうんですよね、この仕事やってると。

 受験生が可哀想だから、ヤメてくださいよ、こういうミス。

 文法的に正しいところを説明すると、「言はで」の「で」は、「ずて」が縮まって出来たといわれる打消の接続助詞なので、解説の”~ないで”が正しいのですが、模範解答の”~ずに”も許容。しかし、全訳の”~ず”はアウトってところです。

 上記のような「直前の悩める受験生」がこの記事を発見してくれると良いのですが。

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2021年9月 8日 (水)

韋駄天河童娘、天狗になる

 二学期第二週の大変なところは越えました。一週間のスケジュールで最大の難所、休肝日も昨日済ませました。よしよし。

 模試関係の仕事が若干ありますが、他のデスクワークは終了。赤本の間違え探しも順調に進んでいます。

 去年から感じているのですが、赤本は解答の間違えが減りました。やっぱり新コロナの影響ですかねえ。

 でも、解説の手抜きは相変わらず、というか、以前よりヒドイのもあります。某R教大文系なんて、最初の語句の意味問題二題、解説ゼロ。いくら何でも解説完全バックレはないよねえ。

 お父さんの仕事はまあまあ進んでいるのですが、娘(仮称ケミ)は全てにおいて絶好調です。運動会に向けての短距離計測会で、クラスの女子トップの韋駄天ぶりだったそうです。

 加えて昨日は、下校後に市民プールに行き、とうとう平泳ぎでも25m泳ぎ切ったと。

 韋駄天の上に河童娘かい。~o~

 それだけでも自慢の鼻が高くなっていたのに、昨日、八月末に受けた志望校判定模試の結果速報が出て、またまた、国語が…。

 いや、本人には、「キミは、算数が人並み以下なんたから、そこを何とかしなきゃいけないんだよ」とはお説教しているんですが、ねえ。

 でも、国語の偏差値が70を軽く越えてたら、そりゃ少しぐらい天狗にもなりますよね。~o~;;;;;

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2021年8月23日 (月)

あいなき御達の雑感

 このところ、二学期開講のためのプリント作成の日々です。

 毎年、二学期開講時に単語リストとテキストの索引を配布しています。この索引を作成しているといつも思うのですが、単語リスト一番の「あいなし」ってウチのテキストには出て来ないよなぁー。

 「あいなし」は、アイウエオ順に単語を並べると重要単語の一番になってしまうので、その関係で大抵の単語集の一番最初に載っています。アイウエオ順の関係なさそうなゴロ合わせの本にさえ一番に載っています。にもかかわらず、ウチの通常授業のテキストにはもう何年も載っていません。

 これは、もちろん、ウチのテキストに欠陥があるという話ではありません。ウチのテキストには入試に出題されそうな文章、あるいはすでに出題された文章ばかり採用されているので。「あいなし」は入試においてそれほど頻出ってわけじゃないんじゃないかしらん。

 主要な大学の入試問題を毎年チェックしているワタシの感覚から言っても、「あいなし」は、そんなに入試頻出単語と思えないのですが、でも、ほとんどの単語集では重要単語一番です。

 新たな単語集を編集しようとする時に、既存の単語集をたたき台にすると、アイウエオ順一番のこの単語は切りにくい…ってことなんですかねえ、どうも。~o~;;;

 では、なぜ最初の単語集に載っちゃったのかというと、『源氏』『枕』などの有名作品で印象的に残る場面に出て来るから…かもしれません。『源氏物語』桐壺巻冒頭近くの、

「上達部、上人などもあいなく目をそばめつつ、いとまばゆき人の御おぼえなり(上達部や殿上人なども皆むやみに目を背けて、まったく見ていられないほどのご寵愛です)」

 なんかがあるからでしょうかねえ。

 こういう重要単語とされている語とは逆に、全く単語集等で扱われない語が出題されてしまう場合があります。今年の某東大の問一のアなんががソレ。「御達(ごたち)」なんて、どの単語集にだって載ってません。

 あまりに重要単語扱いされていないので、某東大受験指導専門塾T緑会の過去問本では、「東大の教員はモノの判った人達だから、『御達』は採点対象外か」などと言いだす始末。

 ちなみに、この部分の解説文原文が、「採点の対象外とされなかったのではないか」とあるのを見た時には、一分間凍りました。あんまり国語が得意じゃない御仁が書いたんでしょうかね。~o~;;;;

 閑話休題。採点対象外と言われても仕方ない出題でしょう。「御達(=女房・御婦人方)」は、珍しい単語です。

 しかし、これを出題した人の身になると、なんとなく理解できなくはありません。「御達」は、一般的な古典作品ではレアな単語ですが、物語文学では、そこそこ出て来ます。『源氏物語』では、「悪御達」「古御達」「ねび御達」などを合わせると二十回ほど出て来ます。特に、「竹河」巻冒頭の、

 「これは、源氏の御族にも離れ給へりし後の大殿わたりにありける悪御達の落ちとまり残れるが問はず語りしおきたる…(これから語るのは、源氏の御一族からは縁が遠くていらっしゃった後の太政大臣のお邸あたりに仕えていた口さがない女房達の、まだ生き残っていた者が問わず語りに語っていたもの)」

 という一節が源氏物語の文体論でよく扱われる研究者に馴染みのある印象的な用例なので、ねえ。

 出題者は、『源氏』の研究で有名なT木さんでしょう。

 「御達」くらい聞いても良いでしょ。

って思ったとしても、まあ理解できるかな。

 というわけで、某東大受験予定の諸君、「御達」は、採点対象だったはずです。文脈から読み取ってください。~o~

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2020年9月27日 (日)

静かに進む秋と仕事の日

 最近、めっきり涼しくなってきました。秋が進んでるな、よしよし。 

 模試関係の仕事が土曜に完了したので、今日は一日、頼まれた過去問添削と赤本NGの仕事でした。要するにお金にならないデスクワーク。

 お金になろうとなるまいと、眼が疲れるのは同じことで、マイッタよ。

 でも、添削は順調に進みました。某大阪市立大学の問題というのを初めて添削しましたが、こんなに記述が多くて大丈夫なのかしら。受験生も大変だけど、採点だって大変だよ。

 今年は某京大の文系を受ける女の子が教え子さんに二人います。どちらも大変古文の出来る子なので、添削も楽しくできます。

 某京大の古文問題というのは、某東大とは全く難しさの方向性が違います。

 某東大の方は、設問で求められる内容に比べて小さ目な解答欄なので、必要なことをコンパクトにまとめる難しさがあるのに対して、某京大の方は、設問で求められる(と受験生が考える)内容と比べて大きすぎる解答欄が用意されているので、いかに問題文から情報をたくさん読み取り、それを盛り込んで解答欄を埋めるかという難しさがあります。

 コレ、どちらが難しいかというと間違いなく某京大です。

 その、恐らく日本一の難問に対して、二人のお嬢さんはワタシの厳しい採点基準でも六割七割の得点を叩き出してくれます。コレ、普通の採点基準だと七~八割になるんじゃないかしらん。御リッパです。

 添削を終えて赤本チェック。どういうわけか、今年の赤本には間違いが少ないです。まあ、解説の手抜きはあるのですが、明らかな間違いが少なくて、これでは赤本NG大賞が出せなひ…。~o~;;

 コレってもしや、新コロナのせいで執筆者に時間があったから?

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